ホームルーターは、モバイル回線で利用する一般家庭向けインターネット回線です。
一般家庭向けインターネットといえば”光回線”が主流でしたが、ホームルーターの便利さから利用者が増加しています。
そこで本記事では、ホームルーターの使い方や種類、メリット、デメリットを紹介します。
特に、ホームルーターと光回線を比較した上でのメリット、デメリットは必見です。
■ 本記事で分かること
- ホームルーターの機能と使い方が分かる
- ホームルーターのメリット・デメリットが分かる
- 日本で提供されているホームルーターのサービスが分かる
端末が届けばすぐに使えるホームルーターの魅力とは
最初に、ホームルーターがどのようなサービスかを紹介します。
ホームルーターは、据え置きできるWi-Fiルーターです。
ホームルーターの中にはデータ通信SIMカードが搭載されていて、SIMカードを使ったモバイル回線により、インターネット通信を行います。
ホームルーターは、端末が届いてしまえば、コンセントに挿すだけですぐに使える点が大きな魅力です。
さらに引っ越しなどで利用場所が変わる場合も、住所変更手続きなど簡単な手続きだけで利用できます。
自宅など一般家庭向けで利用するため、データ容量無制限で使える点もホームルーターの魅力です。
ホームルーターとモバイルWi-Fiルーターの違い
ホームルーターと近い性質の製品として、モバイルWi-Fiルーターがあります。
モバイルWi-FiルーターとホームルーターはいずれもWi-Fiルーターですが、製品の性質上、利用用途が異なります。
モバイルWi-Fiルーターは、端末にバッテリーが搭載されていて、自宅外に持ち出しできる点がメリットです。
ホームルーターは、設置型で持ち運びができないかわりに、モバイルWi-Fiルーターと比べて電波が安定しており複数端末で使えます。
Wi-Fiルーターの持ち運びが不要な場合は、ホームルーターの方が便利です。
ホームルーターの使い方
ホームルーターはSIMカードが内蔵されているため、電源さえ入ってしまえば本体側の細かい設定はほとんどありません。
電源を入れれば基地局からの電波を受信しWi-Fiの電波が飛ぶため、利用したい端末にアクセスするためのSSIDとセキュリティキーを登録すれば良いのです。
Wi-Fiを利用した経験がある人であれば、手続きにこまることはほとんどありません。
なお、光回線でWi-Fi利用したい場合は、光回線開通後に個々でWi-Fiルーターを購入する必要があります。
加えて、光回線をつなぐための端末の設置工事などがあり、インターネット回線を利用するための準備が必要です。
しかし、ホームルーターの場合はホームルーター用の端末のみですべてが完結します。
そのため、ホームルーターは、利用するまでの手続きが簡単なのです。
ホームルーターのメリット3選
ホームルーターは、自宅の固定回線代わりに利用可能なインターネット回線です。
そこで、一般家庭用のインターネット回線として見たホームルーターのメリットを紹介します。
ホームルーターは工事不要で手軽に利用できる
1つ目のメリットは、工事不要でお手軽に利用できる点です。
自宅や一般家庭用の固定回線として一般的に使われている光回線の場合、光回線は導入までに光回線開通の工事が入ります。
光回線開通工事は予約制で、予約が取れるのは契約してから2週間から1ヶ月程度、混み合う地域では1ヶ月以上かかる場合があります。
特に2月から3月の引っ越しシーズンは、固定回線の契約者が増加するため引っ越し直後から固定回線が利用できない場合があるのです。
しかし、ホームルーターであれば、ホームルーター用の端末さえ用意できればすぐに利用できます。
すぐに、というのがポイントで、接続もWi-Fi接続した経験がある人であれば、迷うことはほとんどありません。
ホームルーターを利用するための、特別なソフトインストールなども不要です。
利用する場所に届いてしまえばすぐに使える点こそ、ホームルーターを使う一番のメリットです。
ホームルーターで高速インターネット通信ができる
ホームルーターでは、高速インターネット通信が可能です。
ホームルーターに搭載されているモバイル回線は、スマートフォンと同じく4Gや5G回線が利用できます。
5Gか4Gの違いは、5Gが利用できる場所であれば5G回線を、5G回線が利用できない場所であれば4G回線が選ばれます。
5G回線の通信速度は最大で20Gbps、4G回線の通信速度は最大で1Gbps以上の通信速度です。
一般的な利用方法であれば、10Mbps(0.01Gbps)〜50Mbps(0.05Gbps)程度で問題なくインターネットを利用できます。
据え置きできるWi-Fiルーターとして複数端末が利用できる
ホームルーターは据え置きできるWi-Fiルーターなため、複数端末でインターネットが利用できます。
インターネット回線としては無線接続が標準になっており、Wi-Fiが使えないと困る状況がたくさんあります。
5Gの高速通信が利用できるため、ホームルーターに接続する端末が複数あったとしても、問題ない品質でインターネット利用が可能です。
なお、光回線の場合、Wi-Fi接続をしたい場合は別途Wi-Fiルーターが必要になります。
そのため、光回線でWi-Fi接続したい場合、光回線の通信速度に合ったWi-Fiルーターを準備する必要があるのです。
なお、ホームルーターの有線接続に関して少し触れると、ホームルーターとして利用する端末にLANコネクタがあれば利用できます。
ホームルーターで有線接続をしたい場合は、契約前に確認しておくようにしましょう。
ホームルーターのデメリット3選
メリットが多いホームルーターにも、デメリットも当然ながらあります。
そこで、ホームルーターのデメリットも紹介します。
便利に使えるホームルーターであっても、合わない場合は他の方法を選んだ方が無難です。
ホームルーターの電波の入り具合によっては通信速度が遅くなる
ホームルーターは、モバイル回線を使ったインターネット通信です。
大本の回線は、スマートフォンなどと同じモバイル回線を利用しています。
スマートフォンの場合、例えばトンネルや地下など、電波が入りづらい場所では通信が遅くなる、最悪の場合は通信できなくなるケースがあります。
ホームルーターも同じで、通信速度は利用する場所の電波状況に左右されるのです。
そのため、ホームルーターを選ぶ場合は、モバイル回線が安定して利用できる場所、という条件を忘れないようにしましょう。
ホームルーターではネットワークの不安定さはどうしても付きまとう
ホームルーターはモバイル回線を利用するため、光回線と比べた場合にネットワークは不安定になりやすいです。
5Gのような超高速回線であっても、電波の入りが悪ければ通信速度が安定しません。
とはいえ、普通に使う分には多少不安定さがあったとしても生活に支障がでるケースは少ないです。
しかし、オンラインゲームのようなゲームを行う、大容量データのファイルのやりとりなどでは困ることもあるかもしれません。
例えばゲームの場合、インターネットの通信速度が向上したことで、アクションゲームのようなリアルタイム性が求められるゲームであっても、オンライン化が進んでいます。
しかし、回線が不安定な場合、画面が止まってしまう、リアルタイムで操作が反映されないなどのマイナス要素があり、ゲームを満足いくまで楽しめない場合があるのです。
大容量データのファイルについては、例えばデータのアップロード中に回線が不安定の場合途中でアップロード止まってしまい、やり直しになる場合があります。
最近では、通信速度の高速化により10GB以上あるようなデータであってもインターネットでやり取りする傾向にあり、インターネット通信が不安定というのは作業効率に直結します。
そのため、通信の安定性を考えるのであれば、光回線など、通信が安定しているインターネット回線を選んだ方が無難です。
ホームルーターの持ち運びが規約で禁止されている場合がある
コンセントを挿せばすぐに使えるホームルーター、実は持ち運び利用ができません。
ホームルーターの移動先が、電源の心配がない場所であってもできません。
というのも、ほとんどのホームルーター規約に、契約住所以外での使用は禁止と明記されているからです。
場所を変えた直後は問題なく使えるかもしれませんが、設置場所と違う場所と確認できた場合、ホームルーターのモバイル回線を停止してしまいます。
引っ越しなどで場所が変わる場合は、場所が変わることを契約会社に伝えた後に、移動させる必要があるのです。
ホームルーターをおすすめする人はこんな人だ
光回線やモバイルWi-Fiルーター、スマートフォンと比較した上で、ホームルーターのおすすめユーザーを紹介します。
自宅でインターネット回線を手軽に利用したい
光回線のようにガッツリと使う必要はないものの、インターネット回線が必要という方にはホームルーターがおすすめです。
例えば、Wi-Fi通信のみ利用可能なインターネット機器などが該当します。
Wi-Fi通信のみ可能な機器としては、例えばAmazon EchoやGoogle Nestといったスマートスピーカーなどがあります。
他にもYouTubeやNetflixといった動画が見られるスマートテレビの場合、テレビとWi-Fi接続することでテレビの利用幅が広がるのです。
インターネット回線というのは、電気や水道などと同じように、生活になくてはならないものになりつつあります。
ホームルーターであれば、”手軽に”インターネット回線が利用できる点がおすすめです。
マンションや賃貸物件などで光回線が導入できない
マンションや賃貸物件では、光回線が導入できない場合があります。
というのも、光回線を導入する場合、光ファイバーケーブルを自宅内に引き込む必要があります。
賃貸物件であれば、大家さんが光回線の工事にNGを出すケースです。
というのも、光ファイバーケーブルを自宅内に引き込むために、穴をあけないといけない場合があり、穴をあけることに対してNGが出る場合があります。
マンションの場合、物理的に光ファイバーケーブルを自宅に引き込めないケースがあります。
なにかしらの理由で光回線が利用できないものの、自宅にインターネット回線を導入したい場合は、ホームルーターが便利です。
引っ越しが多い
自宅でインターネット回線を利用したいものの、学校や職場の関係で定期的な引っ越しが発生する人は、ホームルーターがおすすめです。
というのも、光回線の導入に必要な初期費用として、光回線の開通工事があります。
光回線開通工事は有料ではあるものの、契約会社によっては割引を行い、実質無料をうたい文句にする場合があります。
しかし、工事費を実質無料にするためには、数年間は利用するなど長期利用が前提です。
そのため、引っ越しが多い環境にいる人がインターネット回線を利用する場合は、ホームルーターの方がコストを削減できます。
ホームルーターよりも別回線を選んだ方が良い場合
実は、ホームルーターよりも違う回線を選んだ方が便利に使える場合が存在します。
そこで、ホームルーターをおすすめできない人も紹介します。
オンラインゲームなどで安定したインターネット通信を利用したい
デメリットで紹介した通り、ホームルーターの通信回線は、光回線よりは安定していません。
光回線は、物理的に光ファイバーケーブルでつながっているため、モバイル回線よりも安定した回線です。
そのため、自宅のインターネット通信を安定させたい場合は、光回線を契約した方がストレスなく利用できます。
スマホがあれば自宅にインターネット回線がなくても問題ない
例えば料金の支払いや電車に乗る、タクシーを呼ぶ、レストランを予約するなど、今やスマホは生活をする上でなくてはならないものです。
そして、スマホ以外でインターネットを使わない場合は、わざわざホームルーターを契約する必要はありません。
大手キャリアでスマホの通信容量無制限プランを契約している人であれば、通信容量を気にする必要がありません。
さらにはインターネット回線をたまに使う場合は、スマホのテザリング機能で十分です。
家でもスマホのみ使い、インターネット利用する必要がない場合は、ホームルーターを契約する必要はありません。
Wi-Fiルーターを持ち運びしたい
ホームルーターは、規約によって利用場所が限定されている場合、持ち運びができません。
しかし、最近の生活様式の変化から、自宅以外でもインターネットを利用したい人が増えてきました。
自宅以外でインターネット利用したい場合、ほとんどの場合はスマホのテザリングという方法が第一候補です。
スマホはインターネット利用だけでなく、電話としても利用するので、スマホのテザリングが長くなると困る場合があります。
テザリングの場合、スマホのバッテリーが切れてしまうとインターネット回線だけでなく電話も使えなくなります。
外でもインターネット回線を頻繁に使う場合は、スマホのテザリング利用よりもモバイルWi-Fiルーターを持ち運んだほうが何かと便利です。
バッテリーが切れたとしても、モバイルバッテリーなどで常に充電すればスマホでも使い続けられるものの、充電しながらスマホを使うとバッテリーの消耗を早めます。
さらには、使い続けることで、バッテリー以外も故障するリスクが上がります。
そのため、PCなどを、外でインターネット回線を使いたい場合は、モバイルWi-Fiルーターを検討しましょう。
日本国内の代表的なホームルーターサービスを紹介します
日本国内で提供されている代表的なホームルーターの中でも、おすすめしたいサービスを3つ紹介します。
■日本国内で利用されているホームルーターサービス
- NTTドコモ home 5G
- SoftBank Air
- WiMAX +5Gホームルーター
NTTドコモ home 5Gはドコモユーザーにおすすめ
NTTドコモ home 5Gは、NTTドコモが提供するホームルーターで、ドコモ回線が利用できる場所であれば利用できます。
月々4,950円(税込)で利用でき、契約事務手数料は3,850円、オンラインであれば無料です。
利用する端末はhome 5G HR02で、価格は71,280円(税込)になります。
端末購入に関しては、月々サポート割という割引が適用されるため、36ヶ月以上利用する場合は端末代が実質無料です。
36ヶ月未満で契約を解除した場合は、端末の残債が請求されます。
NTTドコモ home 5Gでは、ドコモスマホとセットで利用することで、スマホ1台あたりの基本料金が最大1,100円割引されます。
対象となるプランはeximoとirumoの0.5GBプラン以外で、ahamoは対象外です。
NTTドコモ home 5Gの通信速度は、5G回線の場合は下りが最大4.2Gbps、データ通信容量は無制限になります。
NTTドコモ home 5Gは、スマホのキャリアがNTTドコモを使っている人であれば、割引があって非常におすすめです。
ソフトバンク回線やY!モバイルにはSoftBank Airがお得
SoftBank Airはソフトバンクが提供するホームルーターで、ソフトバンク回線で使えるホームルーターになります。
SoftBank Airの料金プランは税込み5,368円とはいえ、定期的に割引キャンペーンなどを行っており、事務手数料は3,300円です。
利用する端末は、Airターミナルという端末で、購入もしくはレンタルから選べます。
端末を購入する場合は36回分割で購入し、毎月分割払いと同じ分の割引が適用されるため、端末代金は実質無料です。
ただし、36回支払う前にSoftBank Air契約を解除した場合はNTTドコモ home 5Gと同じように割引が終了し、残債を支払う必要があります。
SoftBank Airのスマホ割は、ソフトバンクスマホに加えてY!mobileにも適用できます。
ソフトバンクスマホを持っている場合は、1台あたり最大1,100円の割引です。
Y!mobileの場合は、なんと最大で1,650円の割引が適用されます。
SoftBank Airの通信速度は、5G回線利用で下り最大2.1Gbps、データ容量は無制限です。
SoftBank Airは、ソフトバンクやY!mobileスマホを利用する人であればお得に利用できます。
WiMAX +5Gホームルーターは持ち出し可能なホームルーター
最後に紹介するホームルーターは、WiMAX +5G ホームルーターです。
WiMAXとは、UQコミュニケーションズが運営しているWiMAX回線で、主にモバイルWi-Fiルーターで利用されています。
UQコミュニケーションズはKDDIグループの一つで、UQ WiMAX以外に格安スマホのUQモバイルを運営しています。
基本料金は4,950円で、初期費用は3,300円です。
利用する端末はWiMAX Speed Wi-Fi HOME 5G L13で、通信速度は下り最大3.9Gbpsと速度は申し分ありません。
auスマホを利用している人やUQモバイル利用者には割引があり、1台あたり1,100円が割引されます。
WiMAX +5G ホームルーターがNTTドコモ home 5GやSoftBank Airと異なる点として、ホームルーターであっても別の場所へ持ち運びが可能です。
というのも、WiMAXのホームルーターは、WiMAXのモバイルWi-Fiルーターと同じ料金プランで契約するため、持ち運び不可という規約がありません。
一方で、WiMAX回線の弱点は、ドコモ回線やソフトバンク回線よりも電波が安定しない点です。
WiMAX回線がうまく使えない場所ではプラスエリアモードというオプションを提供しており、最大30GBまで利用できるau回線を月々1,100円で提供しています。
最後に、WiMAXの契約は、UQコミュニケーションズが運営しているUQ WiMAX以外にも様々な会社で可能です。
会社によっては、端末代が無料になる、キャッシュバックがあるなど多種多彩な独自キャンペーンを展開しています。
auユーザーやUQモバイルユーザーはもちろん、持ち運びできるホームルーターを検討する場合はWiMAX +5Gを検討しましょう。
ホームルーターを契約して自宅のインターネット環境を強化しよう
本記事では、ホームルーターについて紹介しました。
ホームルーターの位置づけは、自宅のインターネット環境を手軽に揃えられる点です。
インターネット利用が当たり前の中、ホームルーターというのは良い意味で丁度良いサービスを提供しています。
これから自宅にインターネット回線を検討する場合は、ホームルーターをぜひ検討しましょう。